2004年 07月 23日
前回に引き続き、マジメに行きます。 マジメなのは照れるので好きじゃないのですが、それ以上に好きな向田邦子についてなので。 他人のことって、どこまで分かってるんでしょうねぇ? 話していて見える部分、また人のウワサで聞く部分で人を判断していることって、多くありません? ま、私は「分かりやすい人間」なんで、分かってくれてる人は分かってくれてると思いますが、私が接している人の中で、私を誤解している人も少なからずいると思います。 っていうか、私に関して言えば、自分で自分を分かっていなく、制御しきれてない部分が多々あるので、例として適当ではないのですが。 んで何が言いたいかって言うと、「他人のことを全ては分からない、長く付き合っていても初めて知る部分もあり、それにより裏切られると感じることもある」。 当たり前ですか? でもこれを文学という形で描いているのが向田邦子の小説(の一部分)です。 傑作短編集「思い出トランプ」の中で、それが如実に出ているのが「かわうそ」。 この作品は、上手さにため息をつく一編でもあります。 だから直木賞の仲の作なのでしょうが。 でも同じく直木賞受賞作の中でも鼻につくのが「花の名前」。 これは時代の推移もあるのでしょうが、夫婦関係のあり方が当時とは変化していることが多くあり、私の感覚としては気にかかります。 現在の女性に受け入れられる作品なのかな? 作品としてはアリと思いますけど。 このスタイルの作品では、「だらだら坂」が私は一番スキです。 主人公庄治の男性独特の身勝手な胸中を、どうしてこうまで見事に描けるのでしょうか。 そういう意味では作中筆頭かと。 次回からは「思い出トランプ」の各作品を、僭越ながら書評します。 もちろん今までの視点に基づいて。(重複は避けますが)
by ShinchoNO1
| 2004-07-23 23:34
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